離婚について
平成23年度の厚労省統計によると、235,734組の夫婦が離婚に至っています。こちらでは離婚をスムーズに成立させるために、離婚についての基礎知識をご紹介します。
【そもそも離婚とは?】
婚姻関係については憲法でその定義が定められていて、「両者の合意に基づき同等の権利を持ち、双方の協力で維持される」とされています。具体的な要件や財産等の契約条件は民法で定められていて、定められている事項に関しての権利は夫婦共に平等に与えられています。離婚とは婚姻関係にあったもの同士が、その関係を取りやめることです。
【離婚にも種類がある】
大きく分けて3種類になります。協議離婚・調停離婚・裁判離婚です。協議離婚は当事者同士の協議により、調停離婚に関しては第三者である調停委員を交えた話し合いのもと成立します。話し合いで離婚が成立しない場合は、離婚を求めた訴訟を起こすことができます。
訴訟を起こすと、離婚の原因が法律上定められた事由にあたるかどうか家庭裁判所が判決を出します。この判決で決まった離婚のことを裁判離婚といいます。裁判離婚は調停において、どちらかが応じなかった場合にのみとられる方法で、調停を終えなければ訴訟を起こせません。また、訴訟の途中で、双方が離婚に合意することで離婚が成立することもあり、この場合は、裁判所の判決による離婚ではないものの、判決と同じ効力のある和解調書が作られ、離婚が成立します。
離婚の内、約9割は協議離婚と言われていて、調停や裁判での離婚は合わせて1割程度です。どの方法でも慰謝料や養育費の支払いを取り決めることが多く、支払いが確実に行われるようにサポートしてくれるのが公正証書です。取り決められた支払いが滞った際、強制執行手続きをして支払ってもらう方法がありますが、訴訟を起こして裁判所の判決を待つ必要があります。公正証書を作成しておくことで、判決を待たずに執行手続きに入ることが可能になります。
また、離婚以外にも様々な種類がありますが、遺言、死因贈与契約や債務弁済、結婚した段階での財産や収入、子供について取り決める婚姻に伴う合意契約も公正証書で取り決めることが可能です。
【離婚原因】
民法では法律上認められている離婚原因が取り決められています。
- 1. 配偶者の不貞行為
- 2. 婚姻関係で義務付けられている同居・協力・扶助を怠った
- 3. 3年以上の期間にわたり生死が分からない
- 4. 回復が見込めない程度の精神病
- 5. その他婚姻関係を継続しがたい理由(性格の不一致や配偶者からの肉体的・精神的暴力など)
【離婚成立するためには】
協議離婚・調停離婚の場合、離婚原因が何であれ双方の合意があれば離婚が成立します。婚姻契約を取りやめるだけなので、離婚後の同居は問題ありません。裁判離婚に関しては民法で定められた事由に限り認められ、夫婦関係が破綻している、また、その関係が修復不可能な状況であるといった場合を除いて、離婚の原因を作った有責配偶者からは裁判の申立ができません。
離婚は多くのエネルギーを必要としますが、前向きに捉えれば新しい人生のスタートでもあります。新しい人生を充実させるためにも、離婚に関する取り決めは公正証書を利用してしっかり定めておきましょう。