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不動産売買契約公正証書

不動産売買契約公正証書とは

不動産売買契約公正証書は、土地や建物を売買する際に作成する契約書です。

売買契約は、売主の「売ります」と、買主の「買います」という、合意があれば成立する契約です。
つまり、実際に建物を引き渡したり、代金を支払っていなくても、売ります・買います」というお互いの意思があるだけで成立します。
そのため、契約書などの書面は、あくまでも「証拠を残す」ために作成されます。

  • ・ 気に入って買ったこの家を、ちゃんと引き渡してほしい
  • ・ 売った土地の代金を、きちんと支払ってほしい
  • ・ 引き渡し前に災害で家がなくなったりしても、代金を払わないといけないの?

非常に大きなお金が動く不動産売買契約の場合こそ、このような心配事やトラブルが将来おこらないように、確かな証拠として契約内容を公正証書にしておくと安心です。

不動産売買契約公正証書の記載事項

不動産売買契約公正証書には、次のような内容を記載します。

  • どの土地・建物なのか

    土地の場合は所在・地番・地目・地積(面積)など、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積などを記載します。
    (例:甲(売主)は乙(買主)に以下の物件を代金○万円で売り渡し、乙はこれを買い受ける。
       所在:○市○町○丁目○番地○
       家屋番号:○番○
       種類:住宅
       構造:木造瓦葺二階建
       床面積:○○.○○㎡)

  • 支払い方法

    いつまでに、どうやって支払うかを記載します。
    (例:乙は甲に対し、平成○年○月○日までに売買代金を甲指定の銀行口座に送金して支払う。)

  • 引き渡しの時期について

    いつ物件を買主に引き渡するかを記載します。
    (例:甲は乙から支払いを受けるのと引き替えに乙に対し本物件を引き渡す。)

  • 所有権の移転時期について

    いつ売主から買主への所有権移転登記をするかを記載します。
    (例:甲は、売買代金全額を受領したときは、甲から乙への所有権移転登記に協力しなければならない。)

  • 手付について

    手付金の金額や性質などについて記載します。
    (例:乙は甲に対し、手付金として金○万円を支払い、甲はこれを受領した。
       甲が本契約を解除する時は、受領した手付金及び手付金と同額の金銭の合計額を乙に交付し、
       乙が本契約を解除する時は、支払済みの手付金を放棄するものとする。)

  • 目的物が不可抗力で滅失した場合(危険負担)について

    引き渡し前に災害などで目的物が滅失した場合について記載します。
    (例:本物件の引き渡し前に、地震、落雷その他甲の故意または過失によらない事由により、
       本物件が全部滅失した時は、甲及び乙は本契約を解除することができる。)

  • 強制執行について

    「もし支払えなかった場合には、強制執行(差押え)を受けます」という、買主の承諾を記載します。
    (例:本契約による金銭債務を履行しない場合、直ちに強制執行に服する旨を陳述した。)

不動産売買契約公正証書作成の注意点

不動産売買契約公正証書を作成する際には、次のような点に注意が必要です。

  • 目的物をはっきりさせておくこと

    不動産は、「同じ面積ならどれでもいい」というわけではないので、「この土地!」「この建物!」と、はっきり目的物を特定することが必要です。
    そのため、所在や地番、家屋番号などを、登記事項証明書で確認します。

  • 所有権の移転時期と登記について決めておくこと

    民法の規定では、所有権は「売ります・買います」の意思が合致した時に移転しますが、それでは売主も不安になり、不動産取引にとって不都合です。
    そこで、「買主が代金全額を支払った時に移転する」と特約をつけます。
    また、「所有者が誰か」を登記しておかないと、第三者に「その不動産は私のものです!」と主張できない場合があるため、「代金全額を受領したら所有権移転登記の申請をする」と決めておきます。

  • 手付の性質について決めておくこと

    大きなお金が動く不動産取引では、一般的に契約時に手付金を支払います。
    その手付金は通常、「解約したいときに相手に支払うお金」という性質になります。
    売主が建物を引き渡したり、買主が中間金の支払い等をする前(履行の着手前)なら、売主は「手付金を買主に倍返し」、買主は「支払った手付金をあきらめる」ことで、契約を白紙に戻すことができます。

  • 危険負担について決めておくこと

    「建物の売買契約後、引越準備をしていたところ、地震で倒壊してしまった…」など、自然災害や隣家の火事など、売主・買主どちらにも責任がなく目的物が失われた場合には、買主は代金を支払わなくても良いと決めておくことで、「家はないのにお金を払う」というリスクを負わなくてすみます。
    こう決めておかないと、民法に従って、買主は代金を支払うことになってしまいます。

  • 強制執行受諾文言を入れておくこと

    「約束通りに支払わなかった時には、強制執行を受けても異存ありません」という文言を入れておくことで、裁判をしなくてもすぐに差押えることができます。
    この文言がないと、公正証書を作っても強制執行できなくなってしまいます。

不動産売買契約公正証書作成の必要書類等

不動産売買契約公正証書を作成する際には、次のようなものが必要となります。

  • 売主と買主に必要なもの

    ・『運転免許証等(パスポートや写真入りの住基カード)+認印』
    ・『印鑑証明書+実印』
    上記のうちいずれかが必要となります。

  • 売主や買主が代理人を依頼した場合

    ・『委任状(代理人との契約内容を記し、委任者の実印を押したもの)+印鑑証明書』
    ・代理人自身の『運転免許証等+認印』、もしくは『印鑑証明書+実印』
    上記すべてが必要となります。

  • 当事者が法人(会社など)の場合

    ・『代表者の資格証明書と代表者印+印鑑証明書』
    ・『法人の登記簿謄本と代表者印+印鑑証明書』
    上記のうちいずれかが必要となります。

  • 不動産登記事項証明書

    「どの不動産を売買するのか」を特定するために必要となります。

  • 公証人手数料

    公正証書の作成の際には、その目的価額に応じて、公証人に手数料を支払わなければなりません。
    不動産売買契約公正証書の場合の目的価額は、『売買代金の2倍』です。
    不動産取引は、双方が義務を負うので(売主の引渡し義務+買主の支払い義務)、それぞれが負担する価格の合計額(不動産の価格+売買代金)が目的価額となります。
    公証人手数料については、こちらをご覧下さい。

  • 収入印紙

    不動産売買契約公正証書には、売買代金に応じて、収入印紙を貼付なければなりません。
    印紙税額(収入印紙代)は、こちらになります。(印紙税法:平成25年4月1日現在)
    参考URL http://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7140.htm

    記載された契約金額 印紙税額(収入印紙代)
    1万円未満 非課税
    1万円以上 10万円以下 200円
    10万円を超え 50万円以下 400円
    50万円を超え 100万円以下 1千円
    100万円を超え 500万円以下 2千円
    500万円を超え 1千万円以下 1万円
    1千万円を超え 5千万円以下 2万円
    5千万円を超え 1億円以下 6万円
    1億円を超え 5億円以下 10万円
    5億円を超え 10億円以下 20万円
    10億円を超え 50億円以下 40万円
    50億円を超えるもの 60万円
    契約金額の記載のないもの 200円
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