『法』という字のこと。
今日は12月31日…一年で一番最後の『大晦日』ですね。
この『晦日』に神社で奏上されるのが、『大祓祝詞(おおはらえのことば)』で、
一年間に溜まった罪や穢れを、祓戸神(はらえどのかみ)に呑み込んで貰い、
水に流れて根の国(あの世)へ持って行って下さい…という祝詞(のりと)です。
この『神様に穢れを乗せて流す』と同じ発想の漢字が、実は『法』なんです。
『法』という漢字の構成は、『水+廌(たい)+去』…
廌は古代、裁判に使われた(法廷に捧げられた)神獣を表す文字で、
『裁判に負けた神獣を水に流して罪を消し去る』という意味の漢字です。
ここでちょっと気になるのが、罪や穢れを呑み込んでくれた祓戸神や廌ごと、
水に流してしまっていること…神様ごとお祓いしている点です。
自分で償うのではなく、関係のない神様や神獣に全部押し付けて、流してしまう…
私達は神様に対し、結構残酷なことをお願いしていたんですね。
何となく年末はお寺へ、年始は神社に行っていますが、
『法』という漢字との関わりを考えると、粛々と首を垂れてしまいます。
神社で神頼みする前に、除夜の鐘で煩悩ぐらいは払っておくべきかも…?