超豪華な辞表。

今日は平安中期に一条天皇と藤原道長を支えた四納言の一人、
藤原公任(ふじわらのきんとう)の忌日(1041年)です。
百人一首の大納言公任…和歌だけでなく、漢詩や管弦の才もある文人で、
紫式部和泉式部とも交友関係のあった『ザ☆平安貴族』です。

 

公任は法律にも大きな功績を残しています。
当時は強盗・窃盗・私鋳銭(硬貨偽造)の罪は、検非違使(警察)が裁判を行っており、
被害額によって徒刑(懲役)の年数が決まっていましたが、
罪人にその年数は知らされず、釈放されて初めて量刑を知っていました。
検非違使の最高責任者だった公任は、これは刑罰として矛盾していると指摘し、
着鈦勘文(判決文)に量刑を書くように改めさせたそうです。

 

また公任は、ライバルが自分より昇進したことに怒り、
参内(出社)拒否…半年以上経って上司・道長に辞表を提出しましたが、
その辞表を書いたのは、公任の友人・大江匡衡(おおえのまさひら)と、
匡衡の妻・赤染衛門(あかぞめえもん)…どちらも三十六歌仙という豪華さです。

 

超贅沢で雅なコネ辞表のおかげか、公任は昇級&出社再開…
彼らがもし公正証書を書いたら、公文書と言うよりは文化財ですね。

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